北朝鮮 性的暴行

北朝鮮の人々の生活は、外部からの情報が限られているため、詳細を把握するのが難しい。しかし、脱北者の証言や限られた外部調査によって、北朝鮮の住民が直面している厳しい現実が浮き彫りになってきています。この国は、飢餓、強制労働、監視社会、そして厳格なプロパガンダに支配された国家体制の下で運営されています。以下では、北朝鮮の人々が直面している具体的な状況を掘り下げ、彼らの生活の一端を紹介します。

主体思想と唯一思想10大原則

北朝鮮の国家運営の基盤は、「主体思想」と「唯一思想10大原則」にあります。主体思想は、金日成を絶対的な指導者とする理念であり、その後継者である金正日、金正恩によって引き継がれています。住民は、自らの主体は金日成にあると教えられ、他の思想や宗教を持つことは禁止されています。

この思想は、単なる教育や信仰の枠を超えて、住民の全ての生活に浸透しています。特に「唯一思想10大原則」は、北朝鮮の住民が日々従わなければならない厳しい規範を定めています。この原則を疑うことや反発することは許されず、たとえ理不尽な処罰を受けても、それを受け入れるしかないのです。このような徹底した思想教育は、北朝鮮の支配体制を強固なものにしています。

飢饉と栄養失調

北朝鮮の住民が抱える最大の問題の一つは、慢性的な食糧不足です。特に1990年代の「苦難の行軍」と呼ばれる飢饉の時期には、約100万人が餓死したとされています。現在も、北朝鮮の住民は食料の入手に苦労しており、政府の配給システムは不十分です。国連の報告によると、2017年には1人あたり1日400gの食料が配給されていましたが、これは健康を維持するための最低限の量を大きく下回っています。

市場での食料購入も可能ですが、価格は高騰しており、多くの住民はそれに手が届きません。特に地方では、住民が草の根や木の皮を食べるなどの行動が見られることもあります。ある脱北者の証言によれば、飢えた母親が託児所に預けた3人の子供全員が飢餓で命を落とすという悲劇も起こっています。

医療と生活インフラの崩壊

北朝鮮の医療システムもまた、深刻な問題を抱えています。医薬品や医療器具が不足しており、多くの住民は医師に頼ることを諦め、自宅での民間療法に頼らざるを得ません。脱北者の証言によれば、病院に薬があっても価格が非常に高いため、多くの人が手を出せず、闇市場で薬を調達するしかないのです。また、電力供給も不安定で、病院での治療も安全ではないとされています。

さらに、厳しい冬の寒さが住民の生活を一層困難にしています。特に地方では暖房用の石炭が不足しており、住民は石炭を燃やして暖を取るしかありませんが、それが原因で呼吸器疾患を患うリスクも高まります。厳しい寒さの中、子供たちが線路の上で寝ている姿が見られることもあり、ある子供は列車に轢かれて両足を失うという痛ましい事故も起こっています。

政治犯収容所と監視社会

北朝鮮の最も恐ろしい現実の一つは、政治犯収容所の存在です。公式にはその存在を否定していますが、脱北者の証言や外部の調査により、6カ所に及ぶ収容所が存在することが明らかにされています。収容所に送られる理由は多岐にわたり、政権に反する行為や思想を持った者、さらにはその親族までもが連座制により処罰されることがあります。

収容所内では、強制労働、暴力、飢餓などが蔓延しており、脱北者たちはそこでの過酷な生活について語っています。ある収容所では、一度収容されたら生きて出ることはないとされ、罪を犯していない子供たちでさえも、親や祖父母の罪で収監されることがあります。

軍事教育とプロパガンダ

北朝鮮の教育システムは、金日成家の偶像化と国家への忠誠を植え付けるために設計されています。学校では幼少期から祖国のために命を捧げることを教えられ、外部の世界、とりわけアメリカや韓国を「敵」として認識するよう教育されます。

プロパガンダは、北朝鮮社会のあらゆる場所に存在しています。映画やテレビ番組、劇場、街頭のポスターに至るまで、全てが体制を賛美し、指導者への忠誠を強調しています。住民は月に数回、金日成や金正日の記念碑を訪問し、家には指導者の写真を飾り、毎日それを磨かなければなりません。このような徹底したプロパガンダにより、北朝鮮の住民は自己批判や他者との比較を行う余地がなく、国家の枠組みの中でのみ自己を見出すようになります。

強制労働と経済的困難

北朝鮮の多くの住民は、厳しい強制労働に従事させられています。大学に進学する特権を持たない多くの若者たちは、卒業後、集団農場や工場、建設現場などに送られ、長時間にわたる労働を強いられます。ある脱北者は、織物工場で毎日立ちっぱなしで働かされ、足の関節を壊してしまったと証言しています。

給料や食糧の配給は極めて少なく、労働に見合う対価はほとんどありません。特に農業労働者は、1日のノルマを達成できないと食料を得ることができず、飢餓に直面します。建設現場や鉱山での労働も非常に危険ですが、怪我をしても治療や補償を受けることはほとんどありません。

脱北という命がけの選択

このような絶望的な状況から逃れるため、毎年数千人が脱北を試みます。しかし、脱北は非常に危険であり、失敗すれば厳しい処罰が待っています。特に越境する際、厳しく監視されている中国との国境を越えることは命がけの挑戦です。多くの脱北者は、冬の厳しい寒さの中、凍った鴨緑江を渡ります。脱北に成功した者は、韓国や他の国で新しい生活を始めますが、その道のりは非常に過酷です。

結論

北朝鮮の人々の生活は、外部からはほとんど想像できないほど厳しいものです。彼らは飢え、寒さ、強制労働、そして監視社会の中で生きており、自由を得るためには命をかけて脱北を試みるしかありません。それでも多くの人々が、家族や親族が残っている北朝鮮に縛られ、厳しい現実の中で生き続けなければならないのです。